たまたま YouTubeにアップされていたドラマを観た。主人公は佐藤浩一が演じ、リツ子役には今井美櫢、リツ子の母親役には木希林が出演している。このドラマは数々の賞を受賞しており、とても素晴らしかったので、後でダウンロードして原作の小説も読んだ。
この小説は、作家の檀一雄が妻の看病をしながら、最終的に妻が亡くなる様子を細かく描いたものである。今の医学なら助けられたかもしれないと思うと、亡くなったリツ子さんがとても可哀想に思えた。そして、糸島の周囲の人々の温かさや親切心に感動した。
特に印象的だったのは妻の母親である。彼女は檀一雄をガミガミと叱りつけ、彼をこき使う姿がクセが強すぎるキャラクターだったが、ドラマでは樹木希林がその役を見事に演じていた。
最近では、人物が亡くなっていく様子をリアルに描いたドラマは少ないが、このドラマはその描写が歴史風俗の記録だと思う。
ところで、ドラマで小さなかわいい息子、太郎を演じていた子役俳優の伊藤隆大が21歳で亡くなってしまったことを知った。彼は名子役だったのに、本当に残念である。