「火宅の人」で有名な檀一雄の妹さんが記した、檀一雄のお母さんや家族の物語。
中でも明治大正昭和と生きた、檀一雄のお母さんの人生には感動した。
不幸な結婚を2回して、3度目にやっと素晴らしい夫に巡り会えたのに、夫は子供10人を残して亡くなってしまう。
夫の先妻の子4人に自分の産んだ6人に加え、前夫との間の4人、大勢の孫達みんなの面倒を見ていた。
戦時中の食糧難の時は、食べ物の多い場所の土地を買って畑をして鶏を飼って食べさせた。
死ぬまで服やセーターを作ってあげていたようだ。
頭が良くて生きる力のある明治の女だ。
この著書には日本の美しい風景が現されていて、読んでいて幸せな気分になった。
さすが作家の妹だけある。