空の鳥

主に飼い猫+野鳥を撮って、紹介しています。

「てるてる家族の照子さん」なかにし礼著

実話に基づいた小説。

昭和28年、大阪府池田市の駅前商店街に、パン屋があった。夫婦春生と照子とおばあちゃんと春子夏子明子冬子と名付けられた娘が4人。

ある日テレビの前を人々が群がっているのを見た照子は、喫茶店を作って置いて儲けようと15万円奮発、置いたところ大繁盛。

梅田スケートリンクにも喫茶店第2号を出す。

たまたま上の娘二人が滑りに来て好きになり、レッスンを受けたところ、上の娘はオリンピック選手に、下の娘は全国一位になる。さらにスカウトされ芸能界に入り、「ブルーライトヨコハマ」で有名になった。

3番目の娘もスケートで国体に出たが、結婚して普通の人になる。

4番目は宝塚を出て、歌手になり、なかにし礼と結婚する。

 

昭和30年代の大阪の様子がうまく描けている。

妻の実家だけあって、地理の位置関係も詳しい。

 

空襲警報中に結婚式を挙げた夫婦だが、2回も高島田のカツラを脱いで防空壕に逃げた話は、可笑しく書かれている。

次女が赤ちゃんの時肺炎を起こして、アメリカ軍の医師に助けてもらった話は感動した。いしだあゆみは強運の持ち主だったんだな。

 

お母さんが上二人の教育に入れ込んでその他の子供たちが寂しい思いをしたにも関わらず、ぐれずに立派に成長したのは、両親に配慮があったんだろうと思った。

でもその入れ込み方は、後藤みどりさんのお母さんを彷彿とした。

よく家庭が崩壊しなかった事である。