空の鳥

主に飼い猫+野鳥を撮って、紹介しています。

「にあんちゃん」安本未子著

昨日見た映画はある10歳の少女の日記をもとにしている。

初版は昭和33年。今から60年以上前だ。

中古本はあるだろうか、Amazonで調べたら、未だ角川文庫から出版されていた。すぐ買ったところ、今日届いた。

 

素晴らしい日記だ。

親を亡くし、貧しさひもじさ寂しさとの戦い。

そんな中で兄や姉、近所の人、学校の先生、級友に助けられる。

著者はつらい経験をしているので、火葬上の煙突から上がる煙を見て「人が亡くなる」のは悲しい事だ、と涙する。

貧しい身なりの新入生とその親がからかわれるのを見て、憤怒する。

世話になったとは言え、教師の怠惰やひいきを許さない。

全部実名だ。

かなり物議を醸したろうなぁ。

 

この日記は映画化され、著者もにあんちゃんも高い教育を受けられた。

入った印税を無駄にせず、有効に使ったんだと思う。

 

今じゃ絶対出版できないすごい本。

韓国の子供が書いた「ユンボクの日記」を思い出した。

ユンボクは別居しているとは言え親がいたが、未子さんにはいなかった。物乞いをする必要もなかった。

ここが大きい違いだろうか。