小川フサノ(1903-2000)という著者のお母さんの伝記。
明治から平成まで生き抜いた彼女は、すごい経歴の持ち主。
13歳でブラジルに移民、お見合いが嫌で逃げ出す。
新聞社の雑用からタイプライターの仕事を得て、ダンススクールに通い、ダンサーになってお金を貯め21歳で帰国。
大阪でダンスホールを経営して成功、横浜でも成功する。
儲けたお金で上海へ。カレッジに入る。知り合った外交官と恋に落ちる。
結婚はできないので別れたが、宝くじに当たる。
帰国して、そのお金で不動産経営。資産家のセレブになり、女性雑誌に掲載されるようになる。
ところが戦争で財産を何もかも失い、42歳で子供(著者)を産み、ひとりで苦労して育てる。生活保護を受けるまでになる。
97歳で故郷で死去。子供と孫に看取られる。
この本は、歴史も詳しく載せてくれているので勉強になる。
自分の親の伝記という事で、愛がこもっている。
あまりに面白いので、おしんみたいなドラマにならないかなぁ、と思った。