日生(ひなせ)最後の明け方、トイレに行こうとしてふらついた。必死にバランスを取ろうとする中で、私が手を伸ばした先には全身鏡があった。割れてしまわないように、鏡を押さえながら一緒にドタっと倒れてしまった。
朝になって、隣室の人に起こしてしまったことを謝った。彼は起きていないふりをしていたことを知っていたが、びっくりしたと言ってくれた。
昨日は胃腸炎だったことを彼は知っていたので、お粥のレトルトをケトルで温めてくれた。彼は無骨で無愛想な人だと思っていただけに、その優しさに驚いた。
彼は自転車で日本中を回っていると話していた。今日は尾道に行くと言っていた。人は見かけによらないものだなぁ。彼のやさしさに感動した。