著者は中国人女性で、23歳まで日本語は全く話せなかったという。
だが、この本で文学界新人賞を受賞、次の本で芥川賞を取るのだ。
「ワンちゃん」という女主人公は中国名が「王」なのでそう呼ばれているが、日本人と結婚したので木村さんでもある。四国の農村の男性と、中国人女性とのお見合いを斡旋している。
人物や背景の描かれ方は、両方の国を知っている彼女でないと描けない。
歴史や時代の流れも読めて面白い。
「人民服を脱ぎ捨てて」人々がカラフルな服を着始める様子なども、その時住んでいたからこそ、描写できるのであろう。
日本人と結婚した中国人の様子も、中国人の立場から見ることができる。
- 作者: 楊逸
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2008/01
- メディア: 単行本
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