今までホロコースト関係の本を数多く読んだが、これは最もリアルで強烈だった。
先日観た映画の原作本だ。
著者のアドルフ・ブルガーはユダヤ系スロバキア人で印刷工だった。ナチスに捉えられアウシュビッツに送られる。目の前で行われる大虐殺を毎日見ながら奇跡的になんとか生き残った。
この本は著者の回顧録である。
彼はナチスの秘密工場で偽札を作らさせられる。病気になった仲間は撃ち殺された。
この本には一緒に工場で働いた全ての人の名前や出身地や職業、殺された人の名前も紹介されている。
終戦の時証拠品はオーストリアのトプリッツ湖に沈められた。
収容所で虐殺をしてきた親衛隊の人々は戦犯になって死刑になった人もいるが、多くは生き延びて逃げ延び平和に暮らしたそうだ。