イギリスを旅行した時、古い館に宿泊したら天蓋付きの立派なベッドと粗末なシングルベッドがあった。立派なベッドからは窓の景色が見渡せるが、シングルベッドはドアのすぐ横にあり、窓の景色は見えない。
このベッドはメイド用である。なんという格差だろう?
それ以来私はメイドの暮らしに興味を持つようになり、「ラークライル」「あるイギリスの女中の物語」を繰り返し読むようになった。表舞台に立たない、貧しいメイドたちはどんな暮らしだったんだろう？
この本は写真や当時のメイドの手記や日記を紹介して、メイドの暮らし面白く紹介している。著者はなかなかよくリサーチしている。読んでいて少々残念なのは、やはりキリスト教の教えをネガティブに表現しているところだ。日本では言論は自由だから構わないが、読者にクリスチャンもいることも考慮に入れて欲しいな。（これも言論の自由）そういう事は別にして、この著書はイギリスの「お城ものドラマ」ファンの人には参考になる。
