空の鳥

主に飼い猫+野鳥を撮って、紹介しています。

笠智衆(1904-1992)

寅さんのシリーズで有名な笠智衆の長男徹さんが書いた「春風想 父 笠智衆の思い出」を読んだ。

笠智衆は戦前の松竹映画にほとんど出ている。

妻花観は脚本部にいた賢い人で、二人の間に6人お子さんがいて、長女未知子と次女朝美をそれぞれ4歳ぐらいで病気で亡くしている。その他に長男徹と次男鉄三と三女成子、四女水江に恵まれた。

晩年は次男一家と同居、長男家族も同じ敷地のとなりに住んで、笠智衆は大切にされていた。

蓼科に別荘があったようだが、松竹の映画関係の監督、俳優、脚本家が次々建てたからのようで、派手な贅沢も海外旅行もせず、妻に先立たれたものの子供達4人や孫9人に囲まれて、幸せな最期だったのではないか。

「父ありき」昭和17年小津安二郎作品だが、笠智衆演じる子供を思いやる父親に非常に感動した。

考えてみると、その前年にふたりめの娘さんを亡くしている。

小津監督が結構細かい事まで指導するので白紙の状態で何も準備しないで撮影現場に行っていると他人には言っていたが、本当は家の裏山で、セリフの練習を懸命にしているの家族は見ていた。

 プロに徹していたんだなって思う。

父ありき [DVD] COS-018

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