今日も悪童たちにピアノを教える。ゲイブリエルはＫちゃんと同じで、鍵盤の前で集中しない。エミリアのように少し伸びて来た子もいる。アンジェリのように、レッスンが好きで好きでたまらない子もいるし、カールソンのようにピアノを蹴る子もいる。「ピアノを蹴ってはいけません。」と叫び、「痛かったでしょう、ピアノさん。本当はこの子はいい子なんだけど、時々悪い子のふりをするのよ。嫌いで蹴ったわけじゃないの」とピアノをさすりながら話しかける。どの子も咳をするかハナを垂らすかしている。もうひとりのゲイブリエルのパパは、ちょっとこっちに来てもらえますか？というので、はい、と言って行くと、内緒の声で「遅刻をしないように、練習をしないように、言ってやって下さい。最近さぼりがちなんです。」と言われた。言われた通りにする。
音楽学校の経営者のドナはニュージャージーのお母様が癌の手術をされるので、車で日曜から行くそうだ。８１歳だから心配している。だがお年を召しているからきっと転移などは遅いよ、と言って励ます。
