「洞窟おじさん」こと、加村一馬さんの自伝。
昭和21年群馬県の貧しい家に生まれ、8人兄弟の1人だけ親からいじめられて育った。激しい折檻をされ、13歳で家出をする。
足尾銅山の洞穴で犬と暮らす。自給自足の原始人のような生活を続け、野生動物を食べて暮らした。
犬がある日死に、悲しみのあまりその場所を立ち去る。
「空腹には耐えられるけど、孤独には耐えられない。」
富士山の樹海で自殺を考えたが、首吊り死体を目撃して考え直す。
ある日ばったり老夫婦に出会う。あまりにもひどいホームレス姿の彼に「戦争は終わったんですよ。」と言う。彼を家に連れて行ってお風呂に入れて食事を用意し、布団に寝かせる。戦死した息子の服をくれた。
43年目のある日自販機を壊そうとして警察に捕まり、身元が明らかになる。
障害者施設の理事長をしている人が、引き取って仕事を与えた。自由に生きていた人が住み込みで働くのは紆余曲折があったが、周りの人々に支えられて成長していく。
彼のストーリーはNHKのドラマにもなった。
今は、子供たちにサバイバルの教室をしたり、ブルーベリーの農園で働いたりしている。
面白くて、あわれで、感動した。