５歳の子の家の猫は忍耐強い。５歳児の彼にぎゅっと抱きしめられても、ぬいぐるみのように動かない。見上げた立派な猫だ。抱っこして持ち運ぶこともできる。猫によってはフーッと逆毛を立てる場合もあるのに、この猫はいやがって引っ掻いたりしない。
今日は外でそり遊びと雪だるまを作って遊び、家の中でかくれんぼをした後、ひらがなのぱぴぷぺぽを教え、チェッカーをし、将棋のルールを説明した。
「ねえ、ちょっと目ェつぶってェ」と彼が言った時びっくりした。完璧な大阪弁だったのである。えらいこっちゃ。
夜、ブレイクがビッグバンドのリハーサルへ行って戻ってくるのを手伝う。なんとメッドフォード高校だ。ここは毎週土曜日に本を借りに行っているところだ。彼は今音楽一本で食べていっている。一回の出演料は400ドル。だけど毎日それがあるわけでもない。だから、子供を育てたり、家や車を買ったりするのは音楽一本では大変じゃないか、という話になる。
新しいルームメート、エミリーの祖母は85歳。若い頃名門ニューイングランド音楽院を卒業。今でも毎週ピアノとオルガンをバプテスト教会で演奏しているという。彼女のスケジュールは孫のエミリーより多忙でエネルギッシュ。メイン州北部の小さい町で大勢のお友達に囲まれて暮らしているとか。損な老後を送りたいものだ。
