空の鳥

主に飼い猫+野鳥を撮って、紹介しています。

アーチストビザの取り方

無事にビザが来た。後3年アメリカに滞在が許可された。このビザはO-1ビザとも言われる。今回は2回目だったので、資料集めも随分慣れた。
もしこのビザを取りたい人に少しでも参考になればいいと思う。(ただし情報は絶えず変わるので、違ってくることもあります。)

  • スポンサーを見つける。

アーチストのスポンサー(Petitioner)である条件は、あなたを正式に雇用してくれる音楽事務所や音楽学校などわかりやすい組織であるなら理想的だが、必ずしもそうである必要はない。アメリカ国籍の納税者で仕事をくれる人なら誰でもなれるのだ。意外と思われるかもしれないが、それで取った人がいるのも事実である。でもW−2という源泉徴収票をもらって雇用されている時は、雇い主がスポンサーになってもらう必要がある。移民弁護士はこの人物との契約書を作成してくれるが、自分でアーチストビザを提出したい人はUICISから用紙(I-129)をダウンロードして記入し、その人からサインをもらい、雇用証明の契約書を作成してサインしてもらう。

過去のコンサートのチラシやプログラム、写真、新聞記事、ウエブサイト、CDやDVDのジャケット、ポスターの縮小コピーなどをファイルして行く。日本語でも良い。その場合は英語に訳してタイプして印刷し、矢印付き付箋で自分の名前を示す。

  • 推薦状を集める。

英語で書かれた推薦状を関係者から集める。ここで重要なのは、推薦した人物を紹介したものを一緒にファイルすることである。私は見開きの左に推薦状、右に書いた人物の紹介をファイルした。たいていウエブサイトをプリントしたもの。推薦状の数は移民弁護士によっては20人分集めるように言われる様だが、実際は7人位でも大丈夫で、人数より書いた人物の重要さ、書かれた内容がモノをいうようである。ここで推薦状のタブーをいうと、あなたの人格の良さやいかに親しいかを書くことである。あとバークリーでは優秀でした、みたいな学生としての評価を書いてもらってもいけないそうだ。なぜならビザを取得するのは現役のアーチストであり、学生ではないのである。私の弁護士は推薦状にバークリーのレターヘッドを使うのを嫌がった。

  • 自分の履歴、バイオグラフィー、紹介状を書く。

日本と違って履歴書は新しい順に書いて行く。バイオグラフィーの書き方は、誰かアメリカ人アーチストのウエブサイトのバイオグラフィーを参考にすれば良い。紹介状だが、うんと大げさにアピールする。アメリカは謙遜は美徳でなく、言うたもん勝ちである。この3つはいずれも自分のレターヘッドに印刷する。レターヘッドには大きく書かれた自分の名前と連絡先を記入する。ロゴを入れても良い。ワード等のテンプレートを使えば良い。必ず英文がおかしくないか、アメリカ人に見て貰った方がいい。

  • ユニオンからの推薦状

上の書類をコピーし、ユニオンに郵送する。手数料も払う。するとユニオンから推薦状が送られて来る。これも弁護士に頼む人はやってもらえる。

  • これらすべての書類をUSCISに手数料を払って郵送する。ポートフォリオはカラーコピーでも良い。8週間で許可が下りる。1000ドル支払うと10日以内でやってくれる。これをプレミアムプロセスと言う。今回、すんなりビザ許可が取れたが、最初の時は8ヶ月費やした。資料が不十分だと言われたからだ。その間帰国出来ず、フラストレーションがたまった。
  • 帰国してアメリカ大使館あるいは領事館へ行く。

パスポート、ビザ許可書(I-797)、I-129請願書のコピー、雇用証明、EVAF DS-156(オンライン入力式非移民ビザ申請書)、5センチ四方のあなたのカラー写真(苦労して自分で作ったが、領事館にスピード写真のボックスが置いてあった。)、面接予約確認書(オンラインで予約してプリントしたもの)、申請料支払い証明を透明で色のついていないクリアフォルダーに入れて、提出する。1週間で日本の自宅へビザが送られて来た。面接の予約は8時半、9時、9時半、とあるが、8時半をお勧めする。早めに行って並んでおけば、余り待たずに面接してもらえる。書類に少しでも不備があればビザは下りない。また面接官が「あなたの場合は該当しない」と判断したら、ビザは下りない。その際、窓口で食い下がってアピールする事をお勧めする。弁護士が居る人はその日のうちに電話して事情を説明し、助けてもらう必要がある。でないとあなたは1年アメリカに入国出来なくなる。

  • 移民弁護士に頼むかどうか。

英語力があり、かなり活躍しているアーチストは自分で取れば良いが、私のように英語があやしい人は、移民弁護士に頼むと良い。私の弁護士はキャシー・ゴンゴーラというニューヨークの女性で、随分お世話になった。彼女の評価は人によって違う。何人もの人が「儲け主義」「いい加減」と彼女の事を悪く言った。でも私は彼女は困ったアーチストを助けたい、と思って仕事をしてくれているように思う。3年前領事館の窓口で追い返された時、彼女はすぐ領事館に私の資料のすべてのコピーを送って急場を助けてくれた。移民弁護士はこういう時に役に立つ。