空の鳥

主に飼い猫+野鳥を撮って、紹介しています。

ヨットセーリングをする

4年前にボストンに来て以来、チャールズ川を帆走する白いマストのヨットは、お金持ちかマサチューセッツ工科大学ハーバード大学のクラブの物だと信じて来た。
乗ってみるのは夢だけど、レンタルするには百ドルは軽く取られるに違いない、と思い込んでいた。ところが、年間たった190ドルで会員になれ、乗り放題だと言う事をS君から聞いて知った。しかもクラスの受講料も中に含まれているので、何度でも受講できるのだと言う。受講を重ねてテストを受けるとひとりで帆走出来るようになるんだそうだ。
「コミュニティ・ボーテング」といい、場所はレッドラインの橋のすぐ近くだ。ハッチシェルと言う野外劇場の裏側になる。
いきなり行って会員になる。「ロッカー代とかウエットスーツ代、とかレンタルライフジャケット代とか要らないんですか?」と聞いたら、要らないわよ、との事。ロッカーは勝手に錠前を持って来てあいてるところにロックすればいいし、ライフジャケットも使いたい放題みたいだ。
どんなクラスがいつどこであるのかもわからず、ひとり会員証をもってデッキに行くと、「名前呼んであげるから、待ってなさいよ」と言われる。
炎天下、アイスティを飲みながら待つ。1歳くらいの男の子を連れたお母さんが来て子供にライフジャケットを着せていた。その子は母親の言う事をすべて理解していた。
しばらくして名前が呼ばれ、2組のアメリカ人カップルとさっきの母子も乗船することになった。インストラクターはケビンと言う元海兵隊。今はコンピューターの仕事をしてクインシーに住んでいるとの事。妻はアイリーンといってデザイナー、息子は1歳半になるそうだ。お父さんがUMass(マサチューセッツ州立大学)の教授だとか。もう一組の夫婦はジムとエリカといってMGHで働いているらしい。
エリカが最初に舵取りをする。ヨットはあらぬ方向に走り出し、大きく傾いた。交代したらなぜかヨットは私の言う事をよく聞き、インストラクターの要求する目標方向に進んでくれた。
ヨットはプルデンシャルセンターの方向から、反対側のマリオットホテルの方向へ、ターンして今度はジョンハンコックビルの方向からハーバード橋の方向へ、それから州議会のドームの方向へまっすぐ帆走した。風を受けて走るのでほとんど揺れなかった。2時間近く舵取りをする。帆走中は新しいハリーポッターの結末はどうだとか、日本のセブンイレブンは光熱費が払える、とかそういう話で盛り上がる。
私は筋がいいとほめられ、皆で拍手してくれた。こういう拍手は滅多にされる事がないので非常に嬉しかった。「ちょっと妬けるわね」とエリカが言う。先生は「練習ですよ」という。
帰りはチャールズリバー沿いを歩く。ハッチシェルでは催し物が行われ、中州にはゴンドラが浮かんでいた。川にはカモメや鴨がたくさんいた。コープリーまで歩いて帰る。