空の鳥

主に飼い猫+野鳥を撮って、紹介しています。

浪花千栄子 自叙伝「水のように」

今月から始まった朝ドラは、昭和の大女優浪花千栄子がモデルである。

自叙伝が朝日出版社から再販されたので、ダウンロードして読んだ。

彼女は1907年私の住む街の養鶏場(今もあのあたりに養鶏場がいくつかあります。)

で生まれた。小さい頃に母親をなくし、弟の面倒を見るため小学校に少ししか行けなかった。

父親がひどいネグレクトで、祖母のはからいで道頓堀で9歳から8年間芝居茶屋の下女奉公をする。

学校に行かせてもらえないので新聞の切れ端で独学でトイレの中で勉強した。

睡眠時間4時間、薮入り(休暇)でも帰れず、怒鳴られこつき回され、辛い奉公だった。つらくて首を吊ろうとしたらネコが引っ張ってくれて思いとどまった。そのため晩年彼女は猫をとても可愛がっていた。

ある日父親に居所を発見され、連れ戻されて富田林の商家に二年分の給料を前借りし、女中をする。

年季が明ける前、御寮人さんが1ヶ月分の給金を特別手当として直接くれたので、父親に見つかる前に書き置きをして京都に家出。

駅前の職業斡旋所でカフェの女給を紹介されて、初めて化粧して綺麗な着物を着る。

その時から彼女は自由に羽ばたき、自立し、スター街道を走り始める。

映画や芝居の世界に入り、数々の名監督から抜擢され、上品な上方言葉を話す俳優になった。

晩年は嵐山に旅館を建て、竹林に囲まれて暮らした。宿はセレブが盛んに利用したようだ。

 

同世代である私の祖父の丁稚時代も、睡眠時間は3時間だったと言うから、貧しい子供は厳しい状況に置かれていたんだなと思う。

 

彼女は道頓堀の雇い主だけでなく、娘を金づるにした父や利用だけして離婚した元夫からモラハラやDVを受け、辛酸をなめて来たのに、人を恨まず前向きに生きて来れたのが、成功を収めた理由ではないかなと思った。

 

水のように

水のように