私の母方の祖父母の人生は、まさに日本の近代化と経済成長を体現するものである。明治時代に生まれた二人は、想像を絶する貧困の中で幼少期を過ごした。
祖父は8人兄弟の末っ子であり、幼少期に父を亡くし、兄弟の多くは養子に出された。しかし、祖父は意地を張り、丁稚奉公の道を選んだ。一方、祖母も父親を早くに亡くし、母親が働きに出たため、幼いながら子守奉公に出されることとなった。二人とも、厳しい現実の中で学業を断念せざるを得なかった。
しかし、そんな二人が結婚し、6人もの子どもを育て上げた。そして驚くべきことに、孫の世代15人全員が大学教育を受けることができたのである。祖父母の晩年は、かつての貧困からは想像もつかないほど豊かなものであった。
この家族の歴史は、日本社会の劇的な変化を如実に物語っている。わずか2、3世代の間に、極度の貧困から教育の機会、そして経済的な豊かさへと、大きく生活が変化したのである。
私たちは、今の時代に生まれた幸運を深く考える必要がある。
1899年。金沢市の写真館で。エプロンをしている祖父。この頃は家族が揃っていた。