空の鳥

主に飼い猫+野鳥を撮って、紹介しています。

読書

南相馬ブックカフェ「フルハウス」

福島の朝、ホテルひさごの朝食。 昨日話していた時フロントでは割と無反応だったが、今朝チェックアウトの時、荷物を運んでると別の女性が「足が痛いのでしょう。聞いています。バリアフリーでなくてすみません。」と言いながら、荷物を運んでくれた。報告が…

在オスマン帝国のイギリス大使夫人の書簡

レディ・メアリー・ウォートリー・モンタギュー(1689-1762)。 イギリス貴族で大使夫人で作家。 この人の旅行先から書いた手紙がめちゃくちゃ面白い。 まだ汽車が出来る100年前に馬車でイェニチェリに守られ、当時のオスマン帝国の領土をくまなく旅行した。 …

「くもをさがす」西加奈子著

コロナ禍のバンクーバーで乳がんを宣告され、8ヶ月にわたる壮絶な治療をした作家西加奈子さんの体験記。。 両乳房の全摘とリンパ腺3本切除を日帰りでするなんて、恐ろしい扱いだ。しかも手術が12時退院が15:15分と、たった3時間ちょっと。 コロナで病院が忙…

「マーチン街日記」犬飼道子著

東京オリンピックの頃にハーバード大学に留学していた著者。 生まれ育ちも血統書付きだが、それ以上に教養のある賢い著者がハーバードで習ったこと、感じたこと、ボストンでの暮らしぶりが面白かった。 冬のボストンがいかに寒いか書いている。チャーチル首…

「健康になる技術」林英恵著

林英恵さんの本が届く。早速このジャンルで一位、全体で30位だ。すごいなぁ。 とにかく一家に一冊の本。 ハーバードでの研究データに基づく、わかりやすく解説された健康になるために必要な本。 健康になる技術 大全 作者:林 英恵 ダイヤモンド社 Amazon 林…

「逆境力」パトリック・ハーラン著

テレビでお馴染みのパックンことパトリック・ハーランの自伝的な著書を読む。 両親の離婚により、貧困家庭で育った彼。新聞配達を頑張って家計を助け、高校を優秀な成績で卒業。ハーバード大学に入った。 彼は貧困には2種類あると言う。 絶対的貧困の場合は…

スペア

イギリスのハリー王子が、「スペア」という暴露本を出版。 売れに売れ、ノンフィクションで1日に売れた最高記録だったそうだ。 日本人の私にとってイギリスは、お城が素敵だとか庭園は綺麗だとか、そう言う部分しか見ていない。 でも考えたらこの国はかつて…

サザエさんと長谷川町子 工藤美代子著

子供の頃から古い姉妹社の本、大人になってから朝日新聞が発行している文庫本のサザエさんを全巻を揃えていた私。 大のサザエさんと長谷川町子さんのファンである。 関連本もほとんど読んだが、今回新しい情報ふんだんに書かれた本が発売されて、読めてうれ…

「アマゾンおケイ」の肖像 小川和久著

小川フサノ(1903-2000)という著者のお母さんの伝記。 明治から平成まで生き抜いた彼女は、すごい経歴の持ち主。 13歳でブラジルに移民、お見合いが嫌で逃げ出す。 新聞社の雑用からタイプライターの仕事を得て、ダンススクールに通い、ダンサーになってお金…

「やさしい猫」中島京子著

やさしい猫ってなんのことだろうと思っていた。 これはこの本の登場人物である、在留期間切れのスリランカ人が主人公に語ったスリランカのお話だ。 お父さんとお母さんがいないと泣いているネズミたちがいた。 猫は自分がネズミの親を食べてしまったことに気…

エデュケーション 大学は私の人生を変えた タラ・ウエストーバー著

タラ・ウエストーバー博士(36)の自伝。 1986年にアイダホ州クリフトンの小さな村で七人兄弟の末っ子として生まれたタラは、両親が偏った信仰のモルモン教徒ーサバイバリストーだったので、出生届も出されず、学校にも行かせて貰えなかった。 病気になっても…

「冷たい豆満江を渡って」梁葉津子著

日本生まれの著者。 1960年に高校生の時に両親と兄弟で北朝鮮に渡る。 言われていた地上の楽園とは全く違う、貧しく自由のない国。 夫は働かず苦労して暮らすが、1997年に三男を連れて脱北。 二度捕らえられて牢屋に入れられ、辛酸を舐める。 国境を流れる豆…

「家族」村井理子著 成人した子供に、小遣いをあげてはいけない。

「兄の終い」で、亡くなったお兄さんの人生について興味深く読んだが、新著の「家族」はその背景にある著者の家族の歴史が記されている。 始まりは絵に描いたような幸せそうな家族だったが、乱暴者の兄、父と兄の喧嘩、母と兄の共依存、家族は崩壊していく。…

「ある昭和の家族 『火宅の人』の母と妹たち」笠耐著

「火宅の人」で有名な檀一雄の妹さんが記した、檀一雄のお母さんや家族の物語。 中でも明治大正昭和と生きた、檀一雄のお母さんの人生には感動した。 不幸な結婚を2回して、3度目にやっと素晴らしい夫に巡り会えたのに、夫は子供10人を残して亡くなってし…

「自由を盗んだ少年」金革(キムヒョク)著

ホームレスのストリートチルドレンを意味するコッチェビだった脱北者の自伝。 彼は4歳で母を亡くし、継母が嫌で家出し駅で路上生活を始める。スリや泥棒を繰り返し、何度も警察に捕まって家に戻されるが、父親に殴られまた家出をする生活。 しまいに孤児院…

「生きるための選択」パク・ヨンミ著

最近、金柱聖さんという元在日の脱北者の著書「跳べない蛙」をダウンロードして読んだ。 非常に興味深く、脱北について興味がわいたので、パク・ヨンミさんの「生きるための選択」を購入して読んだ。 彼女の人生は壮絶である。 1994年生まれ。9歳でお父さん…

浪花千栄子 自叙伝「水のように」

今月から始まった朝ドラは、昭和の大女優浪花千栄子がモデルである。 自叙伝が朝日出版社から再販されたので、ダウンロードして読んだ。 彼女は1907年私の住む街の養鶏場(今もあのあたりに養鶏場がいくつかあります。) で生まれた。小さい頃に母親をなくし、…

ジョングリシャム原作「無実」

オクラホマ州Adaで実際に起きた冤罪についてのドキュメンタリー。 1980年代に2人の女性が殺された。検察はそれぞれ2人の人を有罪に持ち込み、 1人は死刑、 3人は終身刑の判決が降りた。ところが最初の事件ではDNA検査の結果、犯人のうち2人が冤罪となり、釈…

片山廣子(1878-1957)

歌人、エッセイスト、翻訳家。 村岡花子と同じ、東洋英和女学校を卒業。 父は外交官、も結婚相手も日本銀行理事、という上流階級セレブ。 毎年旧軽井沢のつるや旅館*1の裏の別荘で夏を過ごしていたそうで、終戦の年に過ごしたエッセイが、すごく興味深かった…

東田直樹著「自閉症の僕が飛び跳ねる理由」

こけしさんの紹介で、興味を持ち購入。 他人と会話の出来ない重い自閉症の東田くんが文字盤を使ってお母さんと会話ができるようになり、さらに自分の気持ちを表現できるようになり、この本が13歳の時出版された。25カ国に翻訳されていると言う。すばらしいな…

「あめゆきさんの歌 山田わかの数奇なる生涯」山崎朋子著

「青鞜」のメンバーであり、女性問題評論家、 作家、翻訳家、社会事業家。明治大正昭和と活躍した山田わか(1879−1957)。 波乱万丈の人生。 彼女は立派な地主の家に生まれたが、経済的に困窮。最初の結婚相手と離婚し、米国に出稼ぎに行って騙され…

沖縄からアメリカ自由を求めて「正子Rサマーズの生涯」

去年9月に逝去された、クリスチャンの画家正子Rサマーズさん(享年88)の壮絶な生涯。 1928年大阪で生まれた正子さんは幼い頃両親の故郷の沖縄に戻り、極貧の生活をする。 4歳にならないうちに、父親に辻の遊郭に売られてしまう。遊郭から小学校に行かせても…

「長い冬」ローラ・インガルス・ワイルダー著

1880年から1881年にかけて、ローラ・インガルス13歳の時、アメリカの歴史上最も厳しい冬の体験を体験する。10月からよく年4月まで7ヶ月間厳しい吹雪が続き、汽車が来ないため町の食べ物も燃料も底をつき、ローラの家族は飢え始める。 左から、キャリー、メ…

青い城、丘の上のジェーン

赤毛のアンの作者モンゴメリの書いた著書の中で、次に好きなのが青い城、丘の上のジェーンである。ストーリーはハッキリしている。大嫌いな家族や親戚にジメジメ苦しめられている孤独な主人公が、意外な展開で幸せを見出すのだ。 人物描写が、抱腹絶倒で、面…

「雪に生きる」 猪谷六合雄著

図書館の書庫に猪谷六合雄の「雪に生きる」があったので借りる。1980年に発行された岩波少年文庫の本で、今の価格は中古で5万円だ。 大正時代から記された昭和18年までの自叙伝。 スキーゲレンデやジャンプ台を幾つも作り、手作りで住む小屋も12も作って、…

ルイザ・メイ・オルコット四姉妹

若草物語は作家ルイザ・メイ・オルコットの自伝的小説である。父が南北戦争に従軍、留守を守る母と四姉妹の物語。数ある少女向け小説の中でも群を抜いて奥が深くてリアル。三度映画化された。そのモデルになった四姉妹は、どんな人生を送ったのだろう。 長女…

「流れる星は生きている」藤原てい著

戦争体験談は、多くの人が書いている。引揚者のストーリーは壮絶だ。中でも満州から引き挙げてきた人の話はどれも死と隣り合わせだった。 この本はベストセラーになったそうだが、すごくよく書けている。ただ苦労しただけではなく、極致の環境になった際の人…

プリンセス・マサコ ベン・ヒルズ著

オーストラリア人が書いた雅子さまのストーリー。2007年なので、それまでの記録。 これを読んで日本社会のソーシャル・コントロールのひどさに、憤慨し、雅子さまに同情した。庶民の私だっていつも思う。ゴミ分別のこだわり、プライバシーのなさ、陰口、秘密…

「ある奴隷少女に起こった出来事」 ハリエット・アン・ジェイコブズ著

古典文学。しかも元奴隷だった聡明な黒人女性が書いた自叙伝だ。19世紀の南部で奴隷として生まれ、7年祖母の家の屋根裏の狭い隙間に隠れるが、ニューヨークに脱出。奴隷制度に人権を蹂躙された一人の女性。120年間、白人の書いたフィクションだと思われ忘れ…

ナツェラットの男 山浦玄嗣著

こけしさんから勧められて取り寄せた。 めちゃくちゃ面白かった。ナツェラットとはナザレの事、イエス・キリストのストーリーを新約聖書のいろんな登場人物の目から、書かれている。よくかけた描写だ。 作者は医師でカトリック、ケセン語の聖書の訳者で有名…